沖縄と豚肉

豚肉

豚は「歩く薬草」「生き字引」

沖縄と豚肉の関係は、琉球王朝時代から現代まで深く結びついています。琉球王朝時代、豚は「歩く薬草」「生き字引」と呼ばれ、一頭まるごと余すことなく活用されてきました。高級食材であった三枚肉から、ソーキ(スペアリブ)、庶⺠の味として親しまれた中身(もつ)てびち(豚足)まで、様々な部位を巧みに調理する知恵が育まれました。戦後の混乱期には、米軍基地からもたらされたスパム(ポーク)缶などの加工肉が、貴重なタンパク源として普及。これらは沖縄の伝統的な調理法と融合し、ポーク玉子やスパムむすびなど、新たな庶⺠の味として定着しました。現代でも豚肉は沖縄の食卓に⽋かせない存在です。ラフテー(豚の角煮)、中身汁、ソーキそばなど、豚肉を使った料理は沖縄の食堂メニューの定番として親しまれ、沖縄の食文化を特徴づける重要な要素となっています。

沖縄の
島野菜

代々受け継がれた
島野菜

島野菜

「医食同源」の考えのもと
かつての⻑寿の島を支えた重要な食材

沖縄の島野菜は、亜熱帯気候と島という独特の環境で育まれ、琉球王朝時代から自給自足の柱として栽培されてきました。ゴーヤー(にがうり)は、夏の暑さと強い日 差しに適応し、特徴的な苦みと豊富な栄養価を持ちます。ナーベーラー(へちま)は水分が多 く、夏バテ防止に重宝されてきました。また、フーチバー(よもぎ)は薬効があるとされ、伝統 的な健康食材として親しまれています。ハンダマー(水前寺菜)、島にんじん、島らっきょうなど も、沖縄の食文化に⽋かせない野菜として、代々受け継がれてきました。これらの島野菜は、独特の苦みや味わいを持ち、薬草としても重宝されてきました。潮風で育つのでビタミンやミネラルが豊富で、「医食同源」の考えのもと、かつての⻑寿の島を支えた重要な食材として継承されています。「食堂」のメニューでも、チャンプルーや和え物、炒め物など、様々な調理法で提供され、 日常的な食材として今も沖縄の食卓に彩りを添えています。

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